フィロソフィー
「yahae〈ヤハエ〉」は、ヤマヤ株式会社の祖業である木綿業の創業者「弥兵衛(ヤヘエ)」の名を元に2020年に生まれたブランドです。
靴下は直接肌に触れるインナーでありながら、外からも見えるファッションとしての側面も持ち合わせます。両方の役割をハイレベルに果たすためには、ものづくりの技術力やデザイン力に加えて、上質な素材が不可欠です。しかし、料理と同じで、とびきりの上質な素材を使ったからといって、必ず美味しい一品を作れるわけではありません。最後に一番大切なものは、作り手の靴下への「想い」だと思います。
技術力
靴下とは、糸と糸が絡み合い、優しい肌あたりや温かみと芸術的な想像力が織りなす、人間の知恵の結晶のような存在だと考えます。手編みや機械編みに関わらず、どのような方法で編まれていても、靴下には職人の技術力と創造力が息づいているのです。
yahaeの靴下は、多様な編み機を駆使して、まるで素材を生かした料理のように、熟練の技術者が編み立てています。私たちにとって重要なことは、機械をうまく操れるかどうかではなく、良い靴下を作れるかどうか、です。
クラフトマンシップ
皆様がお店で見る靴下は、職人の忍耐の結晶です。精緻な編み機を駆使する靴下作りは、一見工業的に見えますが、実際は多くの人の手が介在しています。私たちの靴下は手編みではなく機械を用いますが、大切な人に送る手編みの靴下と同じような気持ちで製造しています。
環境
ヤマヤがある奈良県・広陵町は、なだらかな山々に囲まれた大和盆地にあり、古墳時代の遺跡も多く残る歴史と繊維産業の町です。江戸時代は木綿業が栄え、明治時代末頃から靴下製造が始まりました。そして、日本一の靴下生産量を誇る「靴下の町」に発展しました。ピーク時に比べると数は激減しましたが、今も靴下製造に関わる周辺産業が数多く残っており、街の主要産業です。
最後に 未来の話
ものが溢れる時代において、ものづくりを行うことについて悩むことがありました。私たちが行き着いたのは、私たちの生業が意味のあるものづくりなのであれば、続けていく必要があるという答えでした。
私たちの靴下を通じて、環境への思いやりを持ちながら質の高い暮らしを実践し、それが一つの文化になれば、人類の歴史の中にささやかな良い影響を与えたことになると信じています。これから先、靴下製造業はどうなっていくのか。移り変わりが早く様々なことが予測できない時代において、不安ではありますが、楽しみでもあります。